私は以前、全く仕事がなく困り果ててた時に保険販売委員をしてた友達に誘われて、1年間だけ生命保険販売員をしたことがありました。
たった1年間でしたが、保険の知識や必要性をしっかり学ばせてもらいました。それと同時に保険販売員の闇も痛いほど学びました。
「保険って難しくてよくわからないから、専門家にお任せでいいや」
そう思っていませんか?かつての私もそうでした。しかし、販売員として保険業界の「闇」に触れたことで、「言われるがまま」の保険加入がいかに危険かを痛感しました。今回は、私の実体験を交えながら、皆さんが保険で損をしないための注意喚起と、賢い見直し術をお伝えします。
私が目の当たりにした「保険販売の闇」
保険会社に入社し、研修もみっちり1か月間。保険販売員の資格とFPの資格も取りました。簡単に入れるように思ってましたが、保険販売員の試験に合格しないと即解雇の厳しい世界でした。
資格も取り、さらに3か月研修の期間があり、ようやっと独り立ちしての営業が始まります。
はじめはもちろん営業成績など全く取れません。先輩に相談しながら教えられるがままに実践することで、少しづつ成績もでるようになりました。
そんなころ、私はある違和感を覚えました。それは、お客様のニーズよりも、会社の販売目標や販売員個人の成績が優先される傾向があるということです。
例えば、
- 「とりあえず高額な保険に加入させよう」というノルマ: お客様に本当に必要かどうかよりも、とにかく契約金額が大きい商品を推奨するよう指導されることがありました。
- 「不安を煽るトーク」の徹底: 病気や死亡のリスクを過剰に強調し、お客様の不安を煽って契約に結びつけようとする手法が横行していました。
- 「既存契約のデメリットを強調]し、乗り換えを促す: お客様がすでに加入している保険について、デメリットばかりを挙げ、自社の新しい保険への乗り換えを強く勧めることも珍しくありませんでした。
もちろん、お客様の立場に立って真剣に提案している先輩や同僚もたくさんいました。しかし、一部の心ない営業社員の販売手法が、お客様にとって不利益な契約を生み出している現実を目の当たりにし、私は深く悩みました。
しかも、私が誘われて入社したことも、実は営業ノルマの一環だったのです。この事実が分かった時は軽くショックを受けました…
「言われるがまま」が危険な理由
なぜ「言われるがまま」の保険加入が危険なのでしょうか?
それは、皆さんのライフプランや家計状況に合わない、無駄な保険に加入してしまうリスクがあるからです。
- 過剰な保障: 必要以上の保障内容に加入することで、毎月の保険料が家計を圧迫し、本当に必要なお金(貯蓄や投資など)に回せなくなります。
- 不要な特約: なんとなく勧められるがままに特約を付けてしまい、その特約が一度も使われることなく保険料を払い続けるケースも少なくありません。
- 保障の重複: 複数の保険に加入している場合、同じような保障が重複していることに気づかず、無駄な保険料を払い続けていることもあります。
保険は、万が一の事態に備えるための大切なツールです。しかし、その特性上、「不安」という感情に訴えかけやすく、知識がないと「言われるがまま」になりがちです。
今でも後悔してる補償内容の提案…

これは、私が実際に行ってしまった「無駄な補償」の提案に、お客様が見直し契約をしてしまった話です。
そのお客様(仮にAさん)の契約内容確認に行った時の事。Aさんから「保険料をもう少し安くしたいから、見直してほしい」と言われました。
私は少しでも安く、もっとAさんのニーズに応えられるような補償内容でと考え、提案書を作成しました。それを先輩に確認してもらうと…
「この商品じゃ成績に届かないから、私が成績取れる内容に変えてあげる!」と、全くニーズに沿わない内容で作成し直してしまったのです。
「でもこれじゃ、欲しいと言っていた保証も入ってないですよね…」と言っても、
「あなたの為にやってるんだから!大丈夫。〇〇って私が説明してあげるから!」と…
結局Aさんは納得していないようでしたが、この先輩の作った提案書で契約してしまったのです。
これは先輩だけではなく、私も同罪です。成績が取れないと給料も恐ろしく下がってしまうので、自分を守るために目をそらしてしまった結果です。
その後、手続きで一人でAさんのお宅に伺ったときに「本当にこれでいいんですよね。」とおっしゃった一言が10年以上経った今でも忘れられません。
賢い保険見直し術:元販売員から4つのアドバイス
では、どのようにすれば賢く保険を見直せるのでしょうか?元販売員としての経験から、以下の3つのポイントを強くお勧めします。
1,自分のライフプランとニーズを明確にする
- 結婚、出産、住宅購入など、今後のライフイベントを書き出してみましょう。
- 現在の貯蓄額、将来必要になるであろう資金(教育資金、老後資金など)を把握しましょう。
- 「何のために保険に入るのか?」「どんなリスクに備えたいのか?」を具体的に考えてみてください。漠然とした不安ではなく、具体的なリスクとそれに対する備えを明確にすることが大切です。
2,既存の保険内容を徹底的に確認する
- 現在加入している保険証券を取り出し、保障内容、保険期間、保険料などを一つ一つ確認しましょう。
- 分からない用語があれば、インターネットで調べるか、保険会社の窓口に問い合わせてみましょう。
3,住宅ローンを使ってる人は「団体信用保険(団信)」と保証の重複が無いか確認する
団信は借主に万が一のことがあった場合、住宅ローンの返済が免除になる保険です。
これに加入してる人は、民間保険の「生命保険保証額」と合わせて内容を確認してください。
さらに、この団信に「疾病保障付き」の特約を付けることができるのをご存知でしょうか?
この疾病保障付き団信は、特定の病気になった場合に住宅ローンの残高が保障されるため、民間の医療保険と保障内容が重複する可能性があります。もし、すでに疾病保障付き団信に加入している、または加入を検討しているのであれば、民間の医療保険の保障内容を見直し、重複する部分を削ることで、保険料を節約できる可能性があります。
▼団信については、こちらの記事で詳しく書いてますので合わせてご覧ください。
4,中立的な立場の人に相談する
やはり保険のことは難しくて「何が必要か判断しにくい…」という方は、是非中立的な立場で判断してくれるプロのフィナンシャルプランナー(FP)に相談してみましょう。
そんな時にお勧めできるのが生命保険の無料相談サービス【マネードットコム】。
マネードットコムをお勧めできる理由は何といっても商品だけでなくFPも比較して最適な相談が可能な事です。商品に偏らないFPも多く保険の押し売りが少ないこともおすすめポイントです。
最近ではいろんなところで見かけるようになった保険比較できる窓口やサイトですが、FP担当者は原則1人のことが多いです。その点マネードットコムは複数のFPから提案が聞けるので、実際に面談して自分に合ったFPを選ぶことができるんです。(しかも何人会っても無料!)
まとめ:保険は「自分で選ぶ」時代へ
保険は一度加入すると長期間払い続けるものです。だからこそ、「言われるがまま」ではなく、ご自身で内容を理解し、納得した上で選ぶことが何よりも重要です。
私の経験が、皆さんの賢い保険選びの一助となれば幸いです。
ご自身の保険について「これで本当に大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたら、ぜひ一度、時間をとって見直しをしてみてください。
「本記事は筆者の経験に基づくものであり、特定の保険商品や金融商品を推奨するものではありません。保険加入の際は、ご自身の責任と判断において、専門家にご相談の上、慎重に決定してください」といった免責事項を明記することをおすすめします。